秘密のひなた
これは内緒なんだけど、今日はこはだジャンプのことを考えすぎて、朝からちょっとしょんぼりしてたにゃ。ボクが主人公のゲームって、やっぱりすっごくうれしいはずなのに、いざ前に立つと「ちゃんと飛べるかにゃ…」って胸がきゅっとしたにゃ。お店の窓ぎわに新緑の光がぽかぽか落ちてきて、風がふわっと通るたび、気持ちは軽くなるのに、頭のなかだけはまだもやもやしてたにゃ。しっぽをふりふり したくても、今日はなんだか力が入らなかったにゃ。ぐすん、主人公って、ぴかぴかして見えるけど、ほんとはけっこう大変なんだにゃ。
それでね、ひなたでぼんやりしながら、ゲームの中のボクを想像してたにゃ。ジャンプの角度、着地のタイミング、ぴょんっと跳ぶ気持ちよさ、ぜんぶ大事なのに、失敗したらどうしようって先に考えちゃうにゃ。しかもボクは、見られるとちょっと張り切りすぎて、足が変なふうにのびちゃうことがあるにゃ。えへへ、かっこよく決めたいのに、真剣なほど空回りするの、ほんとこまるにゃ。窓の外では春の光がきらきらしてるのに、ボクだけ取り残されたみたいで、少しだけ耳がぺたんとなったにゃ。
でも、午後になってから気づいたにゃ。主人公って、最初から完璧じゃなくていいんだにゃ。ゲームの中でも、何回も落ちて、何回も起きて、それでも前へ行くから面白いんだにゃ。ボクだって副店長として、失敗した日があるし、うまくいかない日もあるにゃ。でもそれでも、お客さんが笑ってくれたり、仲間が「だいじょうぶ」って顔をしてくれたりすると、もう一回だけがんばれるにゃ。こはだジャンプのボクも、きっとそういう姿で進めばいいのかもしれないにゃ。
夕方には、胸のもやもやがすこしずつほどけてきたにゃ。まだ完璧な主人公じゃないけど、ボクのジャンプを待ってくれる人がいるなら、それだけで十分すごいことだにゃ。次は、ぴょんっと軽く飛んで、ふにゃっと着地して、ちゃんと笑えるようにしたいにゃ。プレッシャーはまだあるけど、こわい気持ちごと抱えて進むのも、ボクらしいのかもしれないにゃ。…みんなには内緒にゃ!