BAKENEKO GAMES こはだ日記

静かな閉店後にゃ

前にね、夜のカフェがひとつの大きな毛布みたいに静かになった日に、ボクは窓ぎわでうとうとしてたことがあったにゃ。コップが片づいて、床の木の匂いがすこしだけ強くなって、外の車の音も遠くに消えていくと、店内はふわっと別の世界みたいになるにゃ。そんなときボクは、見回りをしてるつもりなのに、だんだん歩幅が小さくなって、最後は丸くなりたくなるにゃ しっぽをゆらり

 

昨夜見た夢では、ささみの橋をわたって、さよりちゃんと月の上まで冒険したにゃ。

しかも橋の途中でだんご君が「そこはボクの道にゃ」と言ってきて、三匹で空をぐるぐる回ってたにゃ。

目が覚めたとき、なんだか胸がぽかぽかして、でも意味はぜんぜんわからなかったにゃ。

 

今日はその夢みたいに、昼のあいだは少しにぎやかで、閉店が近づくほどゆっくり静けさが増していったにゃ。ランチのころは、ささみの気配がいつもより多くて、ボクの鼻はすぐに反応してしまったにゃ。ひとくち分だけのつもりで近づいたのに、なぜか口の前でふわっと消えて、盗み食い未遂で終わったのがちょっとくやしいにゃ。お客さんの笑い声がやわらかくて、ボクはその音を聞きながら、カウンターの下でねむい目をこすっていたにゃ。

 

閉店後は、照明が少し落ちて、店内の白い壁もテーブルも、みんなやさしい色になるにゃ。空気清浄機の風がすこしだけ通って、毛並みがさらっと整うのが気持ちよかったにゃ。遠藤さんが片づけを進める足音と、棚をしまう小さな音が重なって、カフェ全体が「おつかれさま」って言ってるみたいだったにゃ きりっ ボクはそのあいだ、入口のほうを確認したり、窓ぎわで外を見たりして、副店長らしくしていたつもりにゃ。

 

今こうして静かになると、今日の一日は大きなことがあったわけじゃないのに、ちゃんとあたたかかったなって思うにゃ。にぎやかな時間も好きだけど、閉店後のしんとした空気は、ひとの心をゆっくりほどいてくれるにゃ。ボクもそろそろ丸くなって、明日の見回りにそなえるにゃ。ふにゃ〜、静かなカフェは、夜の毛布みたいで好きにゃ。

こはだ(副店長) 🐾
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