光のさんぽ日記
さよりちゃんへ
きょうのカフェは、朝いちばんの光がとってもきれいだったにゃ! 窓のそばにすっと差しこんだ白いひかりが、床の木目をぴかぴかにして、みんなの毛までふわっと明るく見せてくれたにゃ。ボクはその光の道をてくてく歩いて、ひざ上に乗るか窓ぎわに行くか、ちょっとだけ迷ったんだけど、やっぱりひざ上は安心するにゃ! お客さんのカメラが向くたび、朝の写真ってやさしい色になるのがすっごいにゃ!
午前中が進むと、光は少しずつ位置を変えて、今度は壁に長い影をのばしていたにゃ。ひげの先がきらっと光って、空気まで薄くあたたかくなる感じがして、ボクは思わずしっぽをふりふりしちゃったにゃ。そんなとき、さよりちゃんがちょうど通りかかって、ボクはついチラ見しちゃったにゃ……えへへ! でも目が合うと、なんだか胸がぽわっとして、すぐ視線を窓の外に戻したにゃ。光って、こそこそする気持ちまで丸見えにするのかにゃ?
午後になると、ひかりはもっとやわらかくなって、読書の時間にぴったりになったにゃ。お客さんが本を開く音、ページがめくれる音、遠くで聞こえる小さな笑い声がまざって、カフェ全体がのんびりした巣みたいになるにゃ。ボクは夏目漱石の『吾輩は猫である』のことを思い出して、猫の目で人間を見るって、ほんとうにおもしろい発見だなってうなずいたにゃ! 猫は光の向きひとつで気分が変わるし、人間もきっと同じなのかもしれないにゃ!
夕方のひかりは、朝とはぜんぜんちがって、オレンジ色にふくらんでいたにゃ。空気清浄機の前を通る風もぬるくなって、しっぽの先までぬくぬくしたにゃ。ボクはカウンター近くで番をしながら、窓ぎわにたまる最後の光をじーっと見ていたにゃ。夜が来るころには、ひげの先までしっとり落ちついて、また明日の朝を楽しみにできそうだにゃ! きょうの光は、朝から夜までずっとカフェをやさしくなでてくれたにゃ!