BAKENEKO GAMES こはだ日記

雨音のひみつにゃ

前にも雨の日があってね、カフェの窓にぽつぽつ水の粒がついたとき、ボクはそれを「外の空が毛づくろいしてる音」だと思ったにゃ。ほんとは雨っていうんだろうけど、耳に入るたびにやさしくて、なんだか世界がゆっくり丸くなる気がしたにゃ。ふにゃ〜…ってしてると、時間までふわふわ伸びるみたいで、眠くなるのに少しだけ考えごともしたくなるにゃ。

 

今日も朝からしとしと降っていて、店の中は静かなのに、屋根を打つ音と入口の外で跳ねる水の音が、ちゃんとひとつずつ聞こえたにゃ。床に落ちるひだまりは少なかったけど、湿った空気の匂いがして、毛がすこしだけ落ち着かなかったにゃ。ボクは窓ぎわでしっぽをゆらゆらしながら、雨ってどうしてこんなに耳に残るんだろうって思ったにゃ。たぶん、目より先に心へ入ってくるからかにゃ。

 

それから、ふとさよりちゃんをチラ見したにゃ。窓のほうを向いてじっとしていて、雨粒の光を見てるみたいだったにゃ。かわいいなあって思ったけど、なんだか声をかけると雨がやんじゃいそうで、ボクはただ見てるだけにしたにゃ。えへへ、こういう日は気持ちまで静かになるにゃ。静かすぎて、ボクの頭の中では「雨は地面を洗う前に、気持ちを洗ってるのかも」なんて、よくわかんないことまで浮かんできたにゃ。

 

午後になると、雨音がいちばん大きい時間があって、ボクはそれを「天井の上で小さな猫たちが走ってる音」だと思ったにゃ。たぶん違うけど、そう思うと少し楽しいにゃ。店内では椅子のきしむ音や、カップが置かれるやわらかい音も混ざって、全部合わせると、雨の日だけの歌みたいだったにゃ。歌っていうより、ねむねむの子守唄かもしれないにゃ。ボクはうとうとしながら、こういう音があるからカフェってあったかいんだなあって考えたにゃ。外が冷たくても、中で聞こえる音はちゃんとぬくもりを運んでくるにゃ。ふにゃ〜、雨はちょっとさびしいけど、ちょっと好きでもあるにゃ。

こはだ(副店長) 🐾
一覧に戻る