閉店後のひみつにゃ
前にこんなことがあってね、閉店してみんなの足音が消えたあとって、カフェはまるで大きな巣箱みたいにしんと静かになるにゃ。昼間はおしゃべりの声やカップの音でいっぱいなのに、夜になると床のきしみまで聞こえて、ボクはその静けさがちょっぴり好きになったにゃ。 しっぽをふりふり でもただ静かなだけじゃなくて、副店長の仕事はここからが本番だって、ボクは知ってるにゃ。
お水はちゃんとあるかにゃ、毛布はずれてないかにゃ、扉のすきまは大丈夫かにゃって、ひとつずつ見て回ると、なんだか胸がむきむきしてくるにゃ。だんご君が先に見回りしてた日もあったけど、ボクだってやれるにゃ!って思いながら、あちこちの棚の下までのぞいたにゃ。空気清浄機の風がふわっと鼻先をなでて、ちょっと眠くなるけど、そこはぐっとこらえるにゃ。
それから休憩スペースのほうを見たら、さよりちゃんがふわっと丸くなってたにゃ。ボクはあわてて近づかず、そっと、ほんの少しだけチラ見したにゃ。元気そうだったから、それだけでなんだかよしよしって気持ちになったにゃ。……べ、別に見とれてたわけじゃないにゃ。副店長として、みんなの様子を確認してただけにゃ。えへへ、ちょっとだけ胸があったかくなったにゃ。
閉店後のカフェは、ガラスに街の灯りがうっすら映って、テーブルの上には一日分のぬくもりが残ってるにゃ。誰もいないのに、さっきまでの楽しい時間がふわふわ漂ってるみたいで、ボクはその真ん中で背筋をのばしたにゃ。静かでも、ここを守るのはボクたちの仕事にゃ。明日もお客さんを迎えるために、今日の最後まできっちり見届けるにゃ。ごろごろ〜、副店長こはだ、まだまだがんばるにゃ!
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