風つよしのしっぽ日記
朝、扉のすき間からひゅうっと強い風が入ってきて、カフェの空気がいつもよりざわざわしてたにゃ。床のほこりまで小さく走っていくみたいで、ボクは思わずしっぽをぴんとして見張りを始めたにゃ。昔、朝を運ぶ湯気の番猫がいたって聞いたことを思い出して、今日はボクも何か立派なことをしなきゃって、やけに真面目な顔になってたにゃ。
でもね、その意気込みがちょっと空回りしたにゃ。風が強すぎて、しっぽの先がふわふわ持っていかれて、ボクは自分のしっぽと三回くらい相談したのに、結論が出なかったにゃ。ぐすん、かっこよく立っていたつもりなのに、鏡みたいに光る床の上で、なんだか小さな旗みたいになってたにゃ。おまけに、空気清浄機の前で涼もうとしたら、風の向きが負けてしまって、ボクだけちょっとよろけたにゃ。
お昼すぎは、窓から入る光がやわらかくなって、床でまるくころがっていたにゃ。午後のひかりって、どうしてあんなに眠くなるんだろうにゃ。ごろごろ〜ってしたくなる気持ちをこらえながら、ボクはしっぽの毛づくろいをして、さっきの失敗をこっそり整えたにゃ。風がびゅーっと鳴くたびに、カーテンが小さく揺れて、まるで部屋じゅうが息してるみたいだったにゃ。
夕方には、おやつの気配がして、ボクの元気が少しずつ戻ってきたにゃ。やっぱりささみはすごいにゃ、しょんぼりをぺたんと押しつぶして、心をしゃんとさせてくれるにゃ。むにゃむにゃしながらも、今日は風に振り回されたしっぽを最後まで守れたし、ちょっとだけ強い猫になれた気がしたにゃ。明日も風が強くても、ボクはきっとだいじょうぶにゃ。しっぽはふわふわでも、気持ちはまっすぐにゃ!
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