爪とぎに おはにゃと返す 朝しっぽにゃ
おはようのひかりが床にすべって、カフェの板のにおいがふわっと立っていたにゃ。朝ごはんの前に爪とぎが「おはにゃ」って呼んできた気がして、ボクは思わずきりっと礼をしてしまったにゃ。へへ、ちょっと変かなって思ったけど、あれはたぶん板がボクにあいさつしたんだにゃ。こういう日は、胸のあたりがそわそわして、まだ寝ぼけた耳まで元気になるにゃ。
昼になると、ひかりがあったかくて、床の白いところがぽかぽか光っていたにゃ。ボクはついお客さんの膝へぴょんしたくなったけど、副店長の品格が「今日は落ち着くにゃ」って止めてきたにゃ。えらいにゃ、ボク。いや、ほんとは少しだけぴょんしたかったにゃ。そんなとき、近くにあった段ボール箱が目に入って、うずうずがもっと大きくなったにゃ。箱って、見つけたら入るしかない気がするのは、猫の秘密のきまりごとだと思うにゃ。
午後はごろごろの時間で、カリカリの音とふわふわの光がいっしょになって、ボクの体がまんまるにほどけたにゃ。そこで今日の本題にゃ、ヒゲセンサーの精度をボクが証明したにゃ。お皿の近くにそっと置かれた小さなものを、ヒゲが先に「そこにある」と教えてくれて、目で見る前に体が止まったにゃ。猫のヒゲは、空気の動きや近さを感じるすごいアンテナみたいなものらしいにゃ。ボクはそれで、まだ見てないのにぴたりと避けられて、ちょっとだけ得意顔になったにゃ しっぽゆらゆら
夜のおやすみ前は、さらにどきどきしたにゃ。さよりちゃんがすばやくパンチしていて、その動きがかわいくて、なのにちょっぴり本気で、見てるボクまで胸がぴょこっとしたにゃ。にゃ、にゃんでもないにゃ……って顔をしてみたけど、たぶん耳まで赤かったにゃ。ヒゲで空気を読むのもすごいけど、さよりちゃんの気配を感じるときのボクの心センサーも、なかなか精度が高いのかもしれないにゃ。